●カメルーンv.s.アイルランド観戦レポート（写真はこちら）

　11時、上野駅にはすでに緑色のアイルランドサポーターの姿が目立つ。新幹線の同じ車両にもその一団が席を占めていた。思わずハイ！って声をかけると笑顔を見せてくれる。調子に乗って「Where is Roy Keane？」って言ったら、一人が「Me !]（俺だ！）って手を上げて笑ってくれた。
　その後日本人の若者が彼らの向かいの席に座ったが、英語に気後れしたのか一緒に写真をとるくらいしか盛り上がれなかったな。

　１３時新潟着。改札を出ればそこはもう緑一色。いやー、こんなにやってくるとは思ってなかったから、僕は一気に舞い上がってしまった。
　とりあえず喫茶店に入り新潟で合流した友人からついにチケットを手にする。感激。しかしまだ問題が残っている。大丈夫だとは信じつつ、一応チケット譲渡書類に必要事項を記入する。隣に座った緑色の若者に「アイルランドから来たのか？」と聞くと、さも当然のようにそうだと答える。遠いのによく来たねえ。すでに店の中は緑色がいっぱい。

　いかにも地元のヤっさんという強面の男が通路の真中に仁王立ちして、「チケットあるよ」と声を掛けてくるが、あまりの顔に怖くて「いくら？」と聞けなかった。（聞く必要はないが、興味はある）
　シャトルバスは駅前から。駅前で地元の人がうちわなどのグッズを売っていたが、数はすくない。少し並んで順調に乗車。１５分ほどでスタジアム横の大駐車場へ到着。ここにも出店はないが、外人が緑の帽子やアイルランド国旗を立ち売りしていた。帽子が２千円とか。

　さていよいよゲートインだが、まず金属探知機のチェック。そして手荷物の金属類をビニール袋に入れて出す。そのあとチケットを見せるが、身分証明や譲渡書類の提示は要求されずにすんなりゲートイン。前並んでいた奴はわざわざ免許証を見せようとしていた。余計なことすんじゃねえよとケツを蹴っ飛ばしたくなった。

　スタンドにもアイルランド人がいっぱい。ゴール裏の角付近は上から下まで緑一色。英国系のサポーターの応援には定評があるが、彼らも試合が始まると見事な応援振りを見せてくれた。これも日本人にはいい勉強になったことだろう。
　対するカメルーンの応援団は逆のゴール裏に２０人くらい。華やかな民族衣装らしきものを着て陽気な応援をしていたが、僕らの席からは遠くて聞こえない。

　ということで試合も無事終了。シャトルバスも順調に運行し、我々は駅前の居酒屋へ。地元の魚とうまい酒で疲れを癒す。８時半、店を出てＮＤＥ恒例の「ニッポン、チャチャチャ」を大声で叫んだところで解散。

　僕と友人は一足先に新幹線に飛び乗るが、残念ながら自由席に座れず、仕方なくドアの通路に新聞を敷いて座り込んだ。列車が走り出して思わずほっと一息つき、少し居眠りしようとしていたら、突然ドヤドヤとアイルランド人の一団がやってきて通路が一杯になってしまった。

　「ハロー」、「コニチワ」と挨拶を交わすと、さっそくビールが差し出されて宴会スタート。こちらもたっぷり酒が入っているから、デタラメな英語でわいわいおしゃべりを始めた。意味が通じなくても必死に理解しようとするし（それでも最低限の単語は必要だが）、なによりも彼らは日本人と会えたのが嬉しくてたまらないってナ感じ。初めて日本にやってきた者が多く、日本は素晴らしいし、キリンは最高だって喜んでいた。（ギネスよりもうまいってさ）

　というわけで東京までの約２時間、実に楽しい時を過ごすことができました。実際、試合を見るよりもこういった国際交流の方が面白いんだよね。これから１ヶ月、日本中でこういう騒ぎが続くのかと思うと、ついにワールドカップがやってきたんだなあと、胸が熱くなる思いでありました。