（YamaMori サッカー研究所）
ドリブルの質は硬いタッチと柔らかいタッチで表現されることが多い。その差は誰が見てもすぐわかる。
正しいドリブルはタッチが柔らかくまるでボールが足に吸い付いているように見える。逆に硬いドリブルは見た目もぎこちなく、ボールがすぐ足から離れてしまう。
柔らかいボールタッチは正しいドリブルの絶対条件であるが、実際、どこがどう柔らかいのか具体的に説明しよう。
人間の足は実に良くできていて、力を入れて関節を固定すれば棒のように硬くなり、逆に関節の力を抜けば縄のように柔らかくなる。
その切り替えは変幻自在である。
ボールを蹴るときは棒のように硬くし、ドリブルするときは縄のように柔らかくするというわけだ。
本稿の＜基本技術至上主義ードリブルを鍛える＞でも書いた「ハンドリング練習」は、ドリブルに必須のボール捌きの訓練であるが、そのすべてにおいて柔軟なボールタッチが必要になる。
その鍵となるのが膝の使い方である。
ボールタッチを柔らかくするには、具体的には膝でボールを押し出す感じをつかむ必要がある。
つま先ではなく、インサイドまたはアウトサイドの面でボールに触れたまま膝でぐっと押し出していく感じだ。
ポイントはボールを回転させず、足でズズっと引きずっていくこと。ボールを動かせば転がるのは当然だが、そこを抑えて一気に引きずっていくことができれば完璧である。
実際、ボールを押している時間は一瞬だが、それでも蹴るのとは大違いで、押し出すことでボールに触れている時間をできるだけ長く保ち、ボールと身体が一体となって動く。（同期する）
大事なことは決してボールを蹴らないこと。
まとめると、
正しいドリブルは、ボールに足を添えて膝から前に押し出す。
これぞドリブルの極意である。 さて、この感じを文章で説明するにはこれが限界だと思う。
あとは百聞は一見に如かず、ということでとっておきの写真をいくつか用意した。
これらをじっくり見てもらうことで、ドリブルの極意を理解して頂きたいと思う。